香水を選ぶとき、「なんとなく好き」という感覚はあるのに、うまく言葉にできなくて困ったことはないでしょうか。
ムスクなのかフローラルなのか、専門用語を並べられてもピンとこない——そんな経験が積み重なって、気づけばいつも同じ一本に手が伸びてしまう方も多いはずです。
そこに、香りとことばをAIでつなぐ新しいアプローチが、世界の舞台で評価されました。

◆◇「なんとなく好き」をAIが言葉にしてくれる
香りを言語化するAIシステム『KAORIUM(カオリウム)』は、嗅いだときの感情や感覚をAIが言葉として可視化したり、逆に「穏やかな」「凛とした」といった言葉から、自分に合う香りを導き出したりすることができる仕組みです。
従来のフレグランス選びは、香調の分類やパッケージのイメージ、ブランドのストーリーが主な手がかりになることがほとんどでした。
『KAORIUM』はそこに、ユーザー自身の感じ方や言葉を起点にする、という新しい視点を持ち込んでいます。
フレグランス選びに何度も失敗してきた方や、自分の「好きな香りの輪郭」をまだつかめていない方にとって、その入口を広げてくれるかもしれません。
◆◇英国フレグランス業界の権威あるアワードで最優秀賞を受賞
2026年6月11日、ロンドンのグローズベナー・ハウス・ホテルで開催された『The Fragrance Foundation UK Awards 2026』において、『KAORIUM』が「最優秀デジタル・イノベーション賞」を受賞しました。
このアワードは、英国のフレグランス業界団体 The Fragrance Foundation UK が主催するもので、香水の創作にとどまらず、小売・マーケティング・テクノロジーまで幅広い優れた取り組みを表彰する場です。
受賞理由として挙げられたのは、AIと香りの言語化、そして専用ハードウェアを組み合わせることで、生活者が自分に合う香りを見つけやすくしている革新的なアプローチです。
なお、『KAORIUM』はこれ以前にも世界的なデザイン賞『A' Design Award』でシルバー賞を受賞しており、東京大学大学院との「言葉による香りの感じ方への影響」に関する共同研究も進めています[1]。

◆◇フレグランスを自分ごとにしたい方へ
「好きな香りを探したいけれど、どこから始めればいいか分からない」——そんな気持ちを持ちながら、香水売り場の前で立ち止まったままになっている方の心に、この技術は静かに寄り添ってくれそうです。
フレグランスだけでなく、感性教育や飲食体験など、さまざまなシーンへの展開も視野に入れて開発が続けられている点も、今後の活用の広がりとして注目したいところです。

まとめ
「香りを言葉にする」という発想が、世界のフレグランス業界で正式に評価された今、このテクノロジーが日常のどんな場面に広がっていくか、引き続き注目していきたいと思います。
『KAORIUM』の詳細やコンセプトムービーは公式サイトからご確認いただけます。
公式リンク
・公式サイト:SCENTMATIC([KAORIUM)]
・コンセプトムービー:YouTubeで見る
注釈
[1] 東京大学大学院との共同研究「言葉による香りの感じ方への影響」については公式サイト(https://scentmatic.co.jp/news/20251119)に詳細あり。