Article 2026/07/14

「集中できない」は脳のサイン?医師が教える受験期の栄養習慣

「集中できない」は脳のサイン?医師が教える受験期の栄養習慣

夏休みに入ると、受験生のいるご家庭では「もう少し集中してほしい」「夜遅くまで頑張っているけど、栄養は足りているかな」と気になることが増えてくるかもしれません。

「勉強中の集中力が途切れる」のは、気合いや根性の問題だけではなく、脳や身体のコンディションが深く関わっているといいます。

内科専門医の久住英二先生(立川パークスクリニック院長)の監修のもと、学習時の栄養と生活習慣について整理してみました。

◆◇「集中できない」は、栄養不足のサインかもしれない

勉強を続けていると「眠くなる」「頭に入らない」「イライラする」という状態になることがありますが、久住先生によれば、これは単なる気の問題ではないとのこと。

睡眠不足は記憶の定着を担う脳機能を低下させ、水分不足は脳の認知機能や気分にも影響を及ぼすことが報告されています。

また、朝食を抜いてエネルギー源であるブドウ糖が不足すると、脳重量は体重の約2%しかないにもかかわらず全身のエネルギー消費量の約20%を使う脳に十分な燃料が届かなくなり、思考力や集中力の低下につながることがあります。

保護者を対象にした大正製薬の調査[1]でも、子どもの勉強時の栄養について「特に意識していない・わからない」と答えた方が半数以上を占めており、具体的な栄養素と集中力を結びつけて考えているご家庭は限られていることがわかりました。

さらに注目したいのが、選択肢の中で最も意識されている割合が低かった「タウリン」です。

魚介類に多く含まれるアミノ酸の一種で、細胞内の浸透圧調整や神経・筋肉の正常な働きを支えるほか、自律神経やストレス応答との関連についても研究が進んでいます。

健康な男子大学生20人を対象とした研究では、タウリン3gを摂取した後の計算課題で、ストレスマーカーとして知られる唾液アミラーゼ活性の上昇が抑えられたことが報告されており[2]、学習時のコンディションづくりとの関連が研究されている成分です。

食事では、しらすや焼き魚の朝食、ツナ缶・さば缶を使った昼食、あさりの味噌汁やイカ・タコの炒め物など、魚介類を毎日の食卓に取り入れることで補えます。

◆◇脳を動かし続けるために、5つの栄養素を味方に

タウリンと合わせて、久住先生が学習時に意識してほしいと挙げるのが「たんぱく質」「糖質」「鉄」「ビタミンB群」の4つです。

たんぱく質は、集中力や意欲に関わるドーパミン・セロトニンなどの神経伝達物質の材料となる栄養素で、毎食20gを目安に卵、納豆、肉、魚、豆腐などから摂るのがおすすめです。

塾のある夜や帰宅後の小腹を満たすなら、ヨーグルトやチーズ、ゆで卵などたんぱく質を含む軽食を選ぶと、甘いお菓子だけの補食より血糖値の急上昇を抑えやすくなります。

鉄はヘモグロビンの材料として脳への酸素供給を支えるもので、特に成長期や月経のある女子は不足に注意が必要です。

赤身の肉・魚やあさり、小松菜などをビタミンCと組み合わせて摂ることで吸収率が高まります。

糖質とビタミンB群は、ご飯・パン・麺類などの主食を抜かず、豚肉や玄米、納豆などのビタミンB群が豊富な食材と組み合わせることで、脳に安定したエネルギーを届ける助けになります。

なお、勉強中の補食は「血糖値の急上昇と急降下(いわゆる反応性低血糖)を招きにくいこと」が大切で、素焼きナッツ・高カカオチョコレート(カカオ70%以上)・するめ・小魚アーモンドなど低GIで噛み応えのあるものが活躍します。

◆◇食事と睡眠、両方が揃って初めて「学習環境」が整う

栄養を意識した食事と並んで、久住先生が強調するのが睡眠の確保です。

学習した内容は睡眠中に整理・定着するため、起きて勉強を続けるより7〜8時間しっかり眠るほうが記憶を保ちやすいとされており、受験シーズンこそ「削らない睡眠」が集中力の土台になります。

毎日の食事でエネルギーと栄養素をしっかり補い、睡眠と休憩のリズムを整えること——この積み重ねが、頑張る子どもの「もうひと踏ん張り」を支える基盤になりそうです。

まとめ

子どもの集中力を食事の面から後押ししたい保護者の方や、自分自身の勉強コンディションを整えたい学生の方にとって、今回の専門家監修の情報は日々の食卓を見直すきっかけになるはずです。

タウリンをはじめとした栄養素の詳細や具体的な食事例については、大正製薬の公式サイトでご確認ください。

公式リンク

・公式サイト:[[大正製薬]](https://www.taisho.co.jp/)

注釈

[1] 大正製薬が全国の高校生以上の子どもを持つ保護者410名を対象に実施した「子どもの勉強時の飲食と栄養意識」に関する実態調査より。

[2] Suzuki D, et al. Taurine Modulated the Changes in Salivary Markers Induced by Psychological Stress. 臨床生理(J. Clin. Physiol.)Vol. 50, No. 5, 2020. なお、少人数対象の研究であり、効果を確定するものではありません。

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