猛暑日や熱帯夜が当たり前になりつつある今、紫外線ケアだけでは肌の老化を語りきれない時代になってきたかもしれません。
「熱老化」という言葉を、最近スキンケア研究の文脈で耳にする機会が増えています。
長期的な高温環境へのさらされ方が、皮膚の炎症や細胞レベルの変化を加速させる可能性があるとして、この夏注目したい研究成果が届きました。

◆◇「熱老化」という新しい肌ストレス、そのメカニズムとは
紫外線や乾燥は、多くの方がすでに意識してケアしているエイジングケアの定番テーマです。
ところが近年の研究では、高温環境への慢性的な曝露が皮膚の細胞レベルでダメージを引き起こし、生物学的な老化を加速させる可能性があることが報告されており、この現象は「熱老化」と呼ばれています[1]。
日本でも猛暑日・熱帯夜の増加が続く中、肌を取り巻く環境ストレスの種類そのものが変わりつつあることを、この研究は示しています。
こうした課題に取り組むロート製薬が着目したのが、再生医療研究から生まれた独自成分「ステムCM」です。
ステムCMは、ヒト脂肪由来間葉系間質細胞の培養上清(セクレトーム)[2]を独自の酵素技術で低分子ペプチド化したスキンケア原料で、品質管理・安全性評価・成分解析・作用検証まで一貫して研究されています。
培養上清をそのまま使うのではなく、科学的に説明できる形へと整えられている点が、この原料のひとつの特徴です。
◆◇細胞レベルの研究で見えてきた、ステムCMの多面的な可能性
ヒト表皮細胞を使った遺伝子発現解析(RNA-seq)では、ステムCMを処理することで防御応答や細胞恒常性の維持に関わる遺伝子群の発現増加が確認されたほか、炎症や自然免疫応答に関わる遺伝子群の発現低下が認められました。
つまりステムCMは、特定のひとつの炎症因子を抑えるのではなく、より広い範囲で炎症制御に働きかける可能性があるということです。
さらに、熱ストレスを与えたヒト表皮細胞では炎症性サイトカインの一種であるIL-6[3]の遺伝子発現が上昇したのに対し、ステムCMを加えた群ではその発現上昇が抑制される傾向が確認されています。
加えて、倫理委員会の承認のもとで行われたヒト新鮮皮膚を用いた試験では、43℃・2時間という熱ストレス条件下においてDNA損傷応答の指標であるγ-H2AXの増加や、細胞増殖マーカーKi-67・核膜構造マーカーLamin B1の低下といった老化関連変化が認められました。
ステムCMを同時に処理した群では、これらの変化が改善傾向を示すことが確認され、熱ストレスによる複数の老化関連変化に対して多面的に働きかける可能性が示唆されました。

◆◇「UV対策だけでいい時代」が終わる前に、知っておきたいこと
毎夏アップデートされる紫外線対策に加えて、「熱」という視点をスキンケアに取り入れる必要性が、科学研究のレベルで議論されるようになっています。
特に屋外での活動が増える季節や、冷房と外気温の差が激しい環境で過ごすことの多い方にとって、この研究の動向はこれからのスキンケア選びに関わってくるかもしれません。
ロート製薬はステムCMを次世代スキンケア原料として研究を深化させていく方針を示しており、今後の製品展開への広がりにも目が離せません。

まとめ
「熱老化」という概念はまだ広く知られていませんが、気候変動が進む今、紫外線と並ぶエイジングケアの新テーマとして意識しておく価値がありそうです。
研究の詳細や最新情報は、ロート製薬の公式サイトでご確認いただけます。
公式リンク
・公式サイト:ロート製薬株式会社
注釈
[1] 熱老化:高温環境や熱ストレスへの曝露により、細胞レベルでダメージが生じ、生物学的老化に関連する変化が進む可能性を指す概念。
スキンケア分野での研究が進んでいます。
[2] 培養上清(セクレトーム):細胞を培養した際に得られる培養液から細胞成分を除いた上澄み液。
細胞が分泌した成長因子や多様な生理活性物質を含み、組織修復や炎症制御への関与が報告されています。
[3] IL-6:炎症反応に関わる代表的なサイトカインの一種。
皮膚においても外的ストレスにより発現が変動することが知られています。