「エクソソーム」という言葉を、美容メディアで見かける機会が増えてきました。
再生医療の現場から美容科学へと応用が広がりつつある成分として、スキンケア好きの間でも少しずつ注目が集まっています。
そのエクソソーム分野で、ひとつの技術的な節目となるニュースが届きました。

◆◇「iPSCエクソソーム」が化粧品原料として国際的に認められた背景
バイオテクノロジー企業Sparkling Sciences(気泡科技)が開発する『Human Mesenchymal Stem Cell-Derived Induced Pluripotent Stem Cell Exosomes』が、国際化粧品原料名称(INCI)として正式登録されました(INCI ID:41693)。
INCIとは、化粧品成分を世界共通の名称で管理するための国際的な登録制度です。
この登録により、同社が開発するiPSCエクソソーム原料が、国際基準のもとで化粧品分野へ応用できる成分として認められたことになります。
iPSC(人工多能性幹細胞)とは、体細胞を再び多能性の状態に戻す「細胞リプログラミング技術」によって生み出される細胞で、再生医療の分野で世界的に注目されてきた技術です。
Sparkling Sciencesは、京都大学関連のiPSC特許ライセンス契約も締結しており、細胞培養からエクソソームの分離・精製、品質管理、凍晶乾燥技術、そして商業化に向けた量産プラットフォームまでを一貫して構築しています。
スキンケアに関心の高い方なら、「再生医療の技術が、ここまで化粧品原料の領域に近づいてきたのか」と感じる動きかもしれません。
◆◇エクソソームという成分が、なぜ今スキンケア界で語られるのか
エクソソームは細胞が放出するナノサイズの微粒子で、細胞間の情報伝達を担う物質として知られています。
再生医療や美容医療の分野で研究が進み、近年は化粧品原料としての応用にも関心が集まっています。
市場調査機関の分析によると、化粧品分野におけるエクソソームの応用市場は2035年までに260億米ドル規模を突破すると予測されており、高機能バイオ活性原料への需要は世界的に高まっているとされています。
Sparkling Sciencesが今回開発したiPSCエクソソームは、MSC(間葉系幹細胞)が持つ生物学的安全性と豊富な研究基盤を維持しながら、iPSCならではの高い分化能と拡張性を兼ね備えているとされています。
同社はiPSCエクソソームに加え、植物由来EVs・動物由来エクソソーム・高安定性エクソソーム凍晶技術など、複数のエクソソーム技術プラットフォームも構築しており、多角的な研究開発を進めています。
成分の「ソース」と「品質の安定性」をどう確保するかが、この分野の鍵になりそうです。
◆◇日本市場への展開が進む今、注目しておきたい理由
今回の米国でのINCI登録取得に続き、Sparkling Sciencesは日本化粧品工業会(JCIA)への化粧品成分名称登録申請も進めており、国内スキンケア市場への本格展開が見据えられています。
再生科学由来の成分に興味がある方や、スキンケアの最前線を追いかけている方にとって、日本市場での動向は今後も見守る価値がありそうです。
まとめ
バイオテクノロジーと化粧品科学の境界線が、静かに、しかし確実に動いています。
詳しい研究背景や今後の展開については、公式サイトで確認できます。
公式リンク
・公式サイト(Sparkling Sciences):Sparkling Sciences [JP]
・公式サイト(友夢グループ):Tomo Yume [Group]
・公式サイト(ArcBio):株式会社ArcBio
注釈
[1] INCI(International Nomenclature of Cosmetic Ingredients):化粧品成分の国際共通名称制度。
米国化粧品工業会(PCPC)が管理する。
[2] iPSC(Induced Pluripotent Stem Cell:人工多能性幹細胞):体細胞を多能性状態に初期化する細胞リプログラミング技術によって生成される細胞。
[3] 化粧品分野のエクソソーム応用市場規模(2035年・260億米ドル超の予測)は、PR原稿に記載された市場調査機関の分析による。