ファッションの技術が、キャラクターの世界で新しい形に生まれ変わる——そんな瞬間に立ち会えるイベントが動き始めています。
リアルな服作りのスキルをバーチャル空間へつなぐ「第2回 デジタルアパレルデザインコンテスト」が、2026年5月21日から参加者の募集を開始しました。
アパレル、ゲーム、VRと、異なるフィールドで腕を磨いてきた人たちがチームを組んで、バーチャル衣装制作に挑むハッカソン形式のコンテストです。

◆◇服作りの技術が、キャラクターの衣装として動き出す
このコンテストの核心にあるのは、「アパレルのパターン技術をキャラクター表現に活かす」という視点です。
パタンナーがCLOや採寸用の3Dプリント模型を使ってパターンデータを作図し、それをモデリストがシミュレーションで組み上げ、3DモデラーやVRChatクリエイターへと3Dデータのバトンをつなぐワークフローが想定されています。
これまで2Dの図面制作を担ってきたパタンナーの技術が、ゲームやVR空間のキャラクター衣装という全く新しい舞台で活きる——そんな可能性を探る場として設計されているのが、このコンテストの大きな特徴です。
アパレル産業の知識を持ちながら、デジタルの世界への一歩を踏み出したいと感じていた方にとって、参加する意義は大きいかもしれません。
◆◇3体の課題アバターと、制作を支えるキット
今回のコンテストには、個性豊かな3体の課題アバターが用意されています。
ひとつ目は、コトブキヤのキャラクター「旅枕ヨカ」。
衣装開発にCLOを取り入れた先進的なモデルで、アパレルとゲームの連携を体現するような存在です。
キャラクターイラストから人間用パターンを経てゲーム用モデリングへと進む制作フローが、VRコミュニティでもそのドレープ表現の豊かさとともに評価されています。
ふたつ目は、好奇心旺盛で絵を描くことが好きな男の子「遠雷燕」。
応募総数200点のキャラクターデザインコンテストを経て3Dアバター化されたキャラクターで、リアルな服作りの技術でどんな衣装をまとわせるかが参加者の腕の見せどころです。
そして新たに加わったのが、CLO Virtual Fashionが提供するアバター「Lucy(ルーシー)」。
ヘアスタイルや耳、しっぽ、シューズなどのパーツを自由に組み合わせられるモジュール型の設計が特徴で、自分好みのスタイルを柔軟に表現できます。
参加者には課題アバターとあわせて、3Dモデルデータとテクスチャ類、CLOアバターデータ、CLO基本パターンデータ、採寸用3Dプリント模型という制作支援キットも提供されるので、環境を整える手間をかけずに制作に集中できます。

◆◇クリエイターとして「次の一歩」を踏み出したい人へ
服のパターンを引く技術、3Dでモデリングする技術、VR空間でアバターを仕上げる技術——普段はそれぞれ異なる場所で磨かれてきたスキルが、チームとして交わる体験ができるのがこのコンテストの醍醐味です。
イベント期間は2026年7月中旬から9月26日(土)まで。
8月22日(土)にはミートアップとセミナーを兼ねたDay1が、9月26日(土)には成果発表会と懇親会が、TSUNAGU BASE(KDDI高輪本社ビル)にて開催予定です。
最優秀賞には30万円が贈られ、複数の賞も計画中とのこと。
参加費は一般2,000円(税込)、学生は無料で、募集定員は最大100名です。
自分の専門性を活かしながら、異分野のクリエイターたちと何かを生み出してみたいと思っている方の心に響きそうな機会です。


まとめ
服作りの技術を持つすべての人が、デジタルの世界で新しい表現者になれる可能性を示すコンテストだと感じます。
参加募集は2026年6月25日(木)まで受け付けているので、詳細や申し込みは公式ページでご確認ください。
公式リンク
・公式ページ:第2回 [デジタルアパレルデザインコンテスト]
注釈
[1] CLOは3Dファッションデザインシミュレーションツールです。
本コンテストでは全参加者がCLOを利用できるよう運営事務局が準備しています。