進学したい気持ちはあるのに、家庭の事情やお金の不安がどうしても頭をよぎってしまう——そんな高校生が、今この瞬間もどこかにいるかもしれません。
2025年度の文部科学省調査によると、高等教育機関への進学率は85.4%に達している一方で、経済的な壁や複雑な手続きの前に進学を諦めざるを得ない10代も少なくない現状があります。
そんな課題に向き合うカタリバの給付型奨学金が、2026年6月15日より募集を開始しました。

◆◇「お金の話、誰に聞けばいいかわからない」に寄り添う仕組み
世帯年収400万円未満の家庭では、「申請のタイミングを逃した」「将来の返済が不安」といった理由で奨学金に応募しなかったケースが多く見られると、内閣官房の参考データは示しています[1]。
カタリバ奨学金の応募受付期間は2026年6月15日(月)から7月13日(月)までで、応募前には任意参加のオンライン応募サポート会(6月22日〜7月6日)が設けられています。
「奨学金のことがよくわからない」「大学でどのくらいお金がかかるか試算したい」といった、周囲には相談しにくい悩みをスタッフと一緒に整理できる場として機能しています。
進学を迷っている段階の方でも気軽に参加できる設計なので、まず話を聞いてみるだけでも一歩になりそうです。
◆◇成績より「背景・状況」を見る、100名への広がり
今年で第3期となるこのプログラムは、コーチ財団からの助成に加えて企業・個人からの寄付も受け、募集枠をこれまでより広げて100名としています。
選考では学業成績を基準とせず、ひとり親家庭や社会的養護経験者、大学第1世代(ファースト・ジェネレーション)、在留資格の要件でJASSO奨学金を利用できない外国ルーツの方など、制度の狭間に置かれやすい高校生を優先的に採用する方針です(うち30名は外国ルーツの方を対象とした枠)。
支援は2段階で構成されており、まず全100名に最大10万円の大学受験費用を給付(2026年9月以降)し、受験料・交通費・宿泊費・入学金などに充てることができます。
そのうち50名がさらに選抜され、入学金や一人暮らしの準備費用として最大50万円が2027年1月以降に給付される「自立に向けた奨学金」へとつながる仕組みで、他の奨学金との併用も可能です。

◆◇進学後の自分を、お金の面からも想像できるように
「渡して終わり」にしない点がこのプログラムの核心で、ワークショップと個別面談を通じたファイナンシャル・プランニングの伴走支援が全奨学生に用意されています。
受験費用や生活費を可視化しながら「どう準備するか」を一緒に考える経験は、進学後だけでなく、社会に出てからの資金管理にもつながるものとして設計されています。
書類審査の結果通知は2026年8月7日(金)の予定で、2027年4月に大学・短大への進学を検討している国内在住の高校生・浪人生(2浪まで)・高卒認定取得者(予定者含む)が応募資格の対象です。
お金の心配を誰かに打ち明けることすら難しい状況に置かれた方の背中を、静かに押してくれるような取り組みだと感じます。

まとめ
進学への意欲があっても、情報や手続きの壁に阻まれてきた高校生にとって、伴走型のこの奨学金は心強い選択肢になり得ます。
詳細や応募方法は公式ページから確認できるので、気になる方は応募期間中に一度のぞいてみてください。
公式リンク
・応募詳細・お申込み:カタリバ奨学金2026 [公式ページ]
・カタリバ公式サイト:katariba.or.jp
注釈
[1] 内閣官房「参考データ集 学びの支援の充実及び学び直しを促進するための環境整備に関連して」令和4年3月23日
[2] 文部科学省「令和7年度学校基本調査の公表について」——高等教育機関への進学率85.4%の根拠データ