特別な食事の場を探しているとき、そのホテルに「物語」を感じると、訪れる前からわくわくするものです。
渋谷のラグジュアリーホテル、セルリアンタワー東急ホテルに、そんな物語がひとつ加わりました。
同ホテルの名誉総料理長を務める福田順彦氏が、フランス農業・食品産業・食料主権省より「農事功労章」最高位の「コマンドゥール章」を受章し、2026年6月15日、駐日フランス大使から勲章を賜りました。

◆◇フランスが「食の司令官」と認めた、その称号の重さ
農事功労章は、フランス食文化への貢献者に授与される勲章で、1883年の創設以来「農業部門のレジオン・ドヌール」とも呼ばれてきた格式ある賞です。
その等級は「シュヴァリエ」「オフィシエ」「コマンドゥール」の3段階があり、各章の受章から5年以上が経過していることが昇叙の条件となっています。
福田氏は2008年にシュヴァリエ章、2018年にオフィシエ章を受章し、このたび最高位のコマンドゥール章へ昇叙を果たしました。
日本人料理人としては3人目という、非常に稀な栄誉です。
フランス共和国政府がガストロノミー——美食学という意味で食事と文化の関係を考察する営み——を国家戦略の柱と位置づけているほど、「食」はフランスにとって文化を超えた外交的な存在です。
そのフランス政府が、一人の日本人料理人の歩みに最高位の称号を贈ったという事実は、日本とフランスの食文化がいかに深いところで結ばれているかを静かに物語っています。
◆◇渋谷のホテルに根差した、25年分の「食の軌跡」
福田氏は2001年のセルリアンタワー東急ホテル開業と同時に総料理長に就任し、以来ホテル全館の食を牽引してきた人物です。
フランス料理の枠にとどまらず、オペラ歌手やワイン醸造家ら各界の人々とのコラボレーションによる食事会を開催したり、子どもたちの「食の自立」と五感の育成を目指す食育活動に取り組んだりと、その活動は料理人という職域をはるかに超えています。
今回の受章理由として評価されたのも、「フランス食文化の普及と発展への貢献」「世界に通用する料理人の育成と人財輩出」「食育活動の長年にわたる継続」など、多岐にわたる実績でした。
受章にあたって福田氏が語った言葉が印象的です。
「近代フランス料理の父エスコフィエは、料理はモードのように時代と共に進化していかなければならない、と言っている。この勲章を授けていただいた者の使命として、歩みを止めることなく、フランス料理を通じたチャレンジを続けていく」——そんな言葉からは、最高位の勲章を手にしてもなお前を向く料理人の姿が伝わってきます。

◆◇渋谷で「食の物語」に触れたい日に
セルリアンタワー東急ホテルは渋谷駅から徒歩5分、地上40階建ての渋谷でも数少ないラグジュアリーホテルです。
美しい眺望を望む客室のほか、多彩なジャンルのレストランやバーが充実していて、特別なディナーの場を探している方にも、記念日のランチにも選びやすい環境が整っています。
フランス最高位の勲章を持つ料理人がその哲学を根付かせてきた場所で、食を楽しんでみたい——そんな気持ちになる方にとって、これ以上ない訪問の理由ができた瞬間かもしれません。


まとめ
「おいしい料理は真の幸福の土台となる」というエスコフィエの言葉を信じて歩んできた料理人がいる、その場所へ足を運んでみたくなります。
詳細やレストランの情報は、セルリアンタワー東急ホテルの公式サイトでご確認ください。
公式リンク
・公式サイト:[[セルリアンタワー東急ホテル]](https://www.tokyuhotels.co.jp/cerulean-h/index.html)
注釈
[1] 農事功労章(L'Ordre du Mérite Agricole):フランス農業・食品産業・食料主権省より授与される勲章。
1883年創設。
等級は「シュヴァリエ」「オフィシエ」「コマンドゥール」の3段階。
[2] ガストロノミー:フランス語で美食学。
食事と文化の関係を考察することを指す。
[3] 農事功労章協会(MOMAJ)公式サイト参照:https://www.momaj.jp/about.html