大きな地震が起きたとき、薬はどこで手に入れられるのか——。
日常のなかではあまり考えたことがなくても、いざというときに知っておきたい「薬の備え」と「医療の連携」について、若い世代が真剣に向き合う現場がありました。
5月24日(日)に福岡県庁で行われた総合防災訓練に、福岡大学薬学部の学生3人が参加し、実践的な災害対応を経験しました。

◆◇震度7を想定した県の訓練に、薬学生が立った理由
今回の訓練は、警固断層帯を震源とする震度7の地震が福岡県庁で発生したという設定で実施されたものです。
参加した福岡大学薬学部・健康危険管理薬学研究室の3人は、県庁内の保健医療調整本部の職員という役割を担いました。
福岡県薬剤師会から派遣された2人の災害薬事コーディネーターと連携しながら、被災地域の保険薬局や医薬品卸の被災状況を把握・アセスメントし、情報の整理と活動記録の作成に取り組みました。
「いざとなったら誰かが動いてくれる」と漠然と思いがちな私たちにとって、こうした訓練が丁寧に積み重ねられていることは、知っておきたい事実です。
◆◇研究室発のアプリが、リアルな現場で力を発揮した
訓練の中で注目されたのが、同研究室が独自に開発した災害時経時記録アプリ『D-CSS(Disaster-Chronology Sharing System)』の活用です。
このアプリは、更新された情報のリアルタイム共有、時系列に沿った記録の整理、上位本部への報告を目的とした情報共有ツールで、遠隔地にいる関係者との連携をスムーズにする役割を果たします。
訓練に参加した薬学部4年次生の中邑風貴さんは、「遠隔地にいる関係者と効率的に情報共有ができた」と話しており、座学では得られない実践的な学びを数多く得られたと振り返っています。
防災グッズを揃えるだけでなく、こうした「情報をつなぐ仕組み」が実際の災害時にどれほど重要かを、改めて意識させてくれるエピソードです。

◆◇防災を「自分ごと」として考えるきっかけに
日常的に防災について深く考える機会は、なかなかないかもしれません。
でも、薬の供給ルートが断たれたとき、誰がどう動くかを真剣に考え、訓練を重ねている人たちがいることを知るだけで、備えへの意識が少し変わりそうです。
防災の日や地震のニュースをきっかけに、家庭の薬の備蓄や、いざというときの連絡手段を見直してみたい方の心に、この取り組みは静かに残るのではないでしょうか。
まとめ
若い薬学生たちが、現場レベルの防災訓練を通じて得た経験と、自分たちで開発したアプリの実践投入は、「守る仕組みを自ら作る」という姿勢として印象的です。
訓練の詳細や薬学部の取り組みについて関心を持った方は、福岡大学薬学部の公式サイトや福岡県の防災情報ページで確認してみてください。
公式リンク
・薬学部公式サイト:[[福岡大学薬学部]](https://www.pha.fukuoka-u.ac.jp/)
・福岡県防災情報:[[福岡県防災情報ページ]](https://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/sougoubousaikunren08.html)
注釈
[1] D-CSSはDisaster-Chronology Sharing Systemの略称で、福岡大学薬学部・健康危険管理薬学研究室が開発した災害時情報共有ツールです。