Article 2026/10/22

北村の韓屋から。GRANHAND.が香りを日常に置く理由

北村の韓屋から。GRANHAND.が香りを日常に置く理由

GRANHAND. 北村

香りを特別な日だけのものにせず、繰り返される一日のそばに置きたい。韓国発のフレグランスブランドGRANHAND.を知るうちに、いちばん心に残ったのはその姿勢でした。2014年、ソウル・北村の小さな韓屋(ハノク)から始まったブランドが、いまどんな言葉と空間で香りを届けているのかを紹介します。

◆◇北村の小さな韓屋から始まった、ものづくりの基準

北村

GRANHAND.は2014年、北村の小さな韓屋からスタートしました。ブランドを準備していた頃、三清洞(サムチョンドン)の韓屋で四季を過ごすうちにその土地へ惹かれ、やがて北村の路地で現在の場所となる更地と出会い、一から韓屋を建てることになりました。既存の韓屋を改修したのではなく、限られた敷地に伝統的な工法で空間をつくる挑戦だったと、ブランドは振り返っています。

壁ではなく柱や梁、垂木が荷重を支え、大門や中庭、軒、大庁(テチョン)を通りながら内と外がゆるやかにつながります。韓屋の建て方そのものが持つ余白やスケール、手仕事の質感は、のちのプロダクトや店舗づくりの基準になっていきました。窓格子から着想したファブリックラベルも、触れるほど風合いが増す素材として、その経験のなかで生まれています。

完璧な正解を目指すより、人の手の温もりが残る佇まいを大切にする。ブランドの原点が韓屋にあると知ると、製品の素朴な布ラベルにも納得がいきます。

◆◇ノートではなく、情景の文章で香りを伝える

マルチパフューム

一般的に香りは、トップノートやミドルノート、ベースノートといった構成で説明されることが多くあります。GRANHAND.は、そうした専門的な情報だけでは、初めて香りに触れる人にとって距離が生まれやすいと考えました。香りはとても個人的な感覚であり、同じ香りでも受け取り方は人それぞれだからです。

そこでブランドは、原料や香調の説明を前面に出すのではなく、日常の具体的な情景を描いた文章で香りを表現し始めました。マルチパフュームをはじめとする製品にも、小説の一節を切り取ったような短い物語が添えられ、名前より先に文章を覚えてもらう人もいるほど、言葉はブランドを象徴する要素になっています。香りをより日常に近づけるための選択であり、演出のための装飾ではない、とブランドは位置づけています。

香りの知識がなくても、文章を読みながら自分の記憶に重なる一本を探せるのが、このブランドらしい選び方だと思います。

◆◇特別な一日より、繰り返される時間のそばへ

GRANHAND.が語る「香りの日常化」は、派手な瞬間を演出することではなく、朝の身支度や帰宅後の明かりのように、何度も積み重なる時間のなかで静かに記憶に残る感覚をつくることです。店で香りを試し、言葉を読み、スタッフと会話をしながら自分の好みを知る体験も、北村の韓屋から続くその姿勢の延長にあります。

まとめ

北村の韓屋から始まる姿勢と、情景の文章で香りを選ぶスタイルは、GRANHAND.を知る入口として覚えておきたいポイントです。ブランドの考え方や製品の詳細は、日本公式サイトで確認してみてください。

公式リンク

・GRANHAND.(日本公式サイト):jp.granhand.com

・店舗情報(GRANHAND. Tokyo ほか):店舗一覧

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