「自分の血糖値、実はよく知らない」——そんなもやもやを抱えながらも、病院に行く機会がなかなかつくれない方は少なくないのではないでしょうか。
糖尿病の予備群と呼ばれる段階でも、日常の生活習慣が血糖の状態に大きく影響することが、近年の研究で明らかになりつつあります。
そうした背景のなか、自宅で週次の血糖モニタリングを可能にするサービスの実用化に向け、新たな動きが生まれています。
◆◇「数カ月に一度の通院」でしか知れなかった血糖の現実
現在、世界の糖尿病のある方とその予備群は12億人に上ると推計されています(International Diabetes Federation、2024年)。
日本でも多くを占める2型糖尿病の方は、インスリン治療を伴わないケースが大半であるため、血糖自己測定が保険適用外となっており、費用・侵襲性の面でも日常的な活用にはハードルがあります。
結果として、多くの方が数カ月に一度の通院時にしか自分の血糖状態を知ることができないのが現状です。
この課題に向き合うのが、グリコアルブミン(GA)を用いた在宅血糖モニタリングサービス『glucoreview®』を手がける株式会社Provigateです。
グリコアルブミン(GA)とは、血液中に多く含まれるタンパク質・アルブミンが糖化されたもので、直近1〜2週間程度の平均血糖値を敏感に反映する指標です。
直前の食事に左右されにくいため、いつ測定しても一定の精度が保たれるという特性があり、日本では通院時の血液検査法として保険適用も確立されています。
◆◇在宅で「血糖の変化を見える化」する、次世代モニタリングへ
今回、Provigateは体外診断用医薬品・POCT(臨床現場即時検査)製品を手がける株式会社タウンズと、資本業務提携に関する基本合意を結びました。
タウンズはイムノクロマト法をはじめとする診断技術・製造基盤を持つ東証スタンダード市場上場企業で、感染症領域で培った技術を慢性疾患領域へと広げる取り組みの一環として今回の提携に至っています。
両社が目指すのは、Provigateが開発を進めるGA測定技術と、タウンズが有するD-IA(デジタルイムノアッセイ)技術を融合した、次世代のGAモニタリングシステムの確立・製品化です。
将来的には医療機器等としての製造販売承認の取得も見据えており、国内外への普及を中長期的な目標として掲げています。
AIアプリケーションや遠隔ヘルスケアと組み合わせることで、血糖の変化を「見える化」し、一人ひとりの生活習慣改善と医療アクセス向上を支える仕組みの提供を目指しています。
◆◇日常の中で、自分の体と向き合うきっかけに
「病院に行くほどでもない」と感じながらも、食生活や運動習慣が気になっている方にとって、自宅で継続的に血糖の変化を把握できる環境は、生活習慣を見直す静かなきっかけになり得るものです。
血糖の自己モニタリングが行動変容を促し、血糖状態の改善につながるという科学的コンセンサスが形成されつつある今(Diabetes Technology & Therapeutics. 2024;26:252–262)、在宅で週次に確認できるサービスの社会実装は、多くの方の健康管理の選択肢を広げる可能性を持っています。
まとめ
自宅で血糖の変化を継続的に把握するという、これまで難しかった選択肢が少しずつ現実に近づいています。
サービスの詳細や最新情報は、Provigateの公式サイトでご確認いただけます。
公式リンク
・公式サイト:PROVIGATE
注釈
[1] International Diabetes Federationによる成人の糖尿病のある方および予備群の推計(2024年)。
[2] 血糖の継続的な自己モニタリングと行動変容・血糖改善の関連:Diabetes Technology & Therapeutics. 2024;26:252–262。
[3] グリコアルブミン(GA)は直近1〜2週間程度の平均血糖値を反映する指標で、直前の食事に大きく影響されない特性がある。
日本では通院時の血液検査法として保険適用が確立されている。