Article 2026/07/13

敏感肌は6つのタイプに分かれていた。肌内部の遺伝子発現から見えてきた個人差

敏感肌は6つのタイプに分かれていた。肌内部の遺伝子発現から見えてきた個人差

肌がひりつく、赤みが出る、でも原因がよくわからない——そんなもどかしさを抱えながら、なんとなく「敏感肌だから」と片づけてきた方は少なくないはずです。

そのケアが一人ひとりに合ったものになる日に向けて、肌の内側から敏感肌を解き明かす研究が、確かな一歩を踏み出しています。

◆◇「敏感肌」をひとくくりにしない——研究が示す、肌内部の多様性

敏感肌と一口に言っても、赤みが出やすい人、かゆみが強い人、ヒリヒリしやすい人と、その現れ方は人によって大きく違います。

この「個人差」に正面から向き合ったのが、ポーラ化成工業株式会社が進める最新の研究です。

敏感肌を自覚している女性と自覚していない女性、計47名の頬の皮膚を対象に、肌内部の遺伝子発現を網羅的に解析したところ、敏感肌には遺伝子の発現パターンが大きく6つのタイプに分かれることが判明しました。

それぞれのタイプは免疫応答に関連する遺伝子群や皮膚バリアの形成に関連する遺伝子群などと対応しており、赤みや水分量といった肌状態の違いとも関連があることが確認されています。

「なんとなく敏感」という感覚の裏側に、こんなにも多様な肌内部の状態が潜んでいたのだと知ると、自分の肌への見方が少し変わってくる気がします。

◆◇注射針より細い針で肌に向き合う、「マイクロバイオプシー」という技術

この研究を可能にした鍵が、微小皮膚採取技術「マイクロバイオプシー」です。

直径250µm程度という注射針よりも細い針で皮膚からごく少量の細胞を採取するこの手法は、従来の皮膚採取法と比べて傷が極めて小さく、回復も早いのが特徴です。

刺激の影響を受けやすい敏感肌の方の皮膚でも低負担で評価できることから、今回のような繊細な研究に適した技術として活用されています。

採取した微小皮膚からRNAを用いて全遺伝子の発現量を網羅的に測定する手法も確立済みで、肌内部の状態をきめ細かく把握することができます。

さらに今回の研究は、皮膚科専門医およびアレルギー専門医として敏感肌や酒さ(赤ら顔)の臨床研究に長年携わってきた、ALOOP CLINIC&LABの山﨑研志医師との共同研究として実施されました。

医師による診断や各種機器での肌測定データを組み合わせた総合的な解析によって、遺伝子発現と肌状態の関係が明らかにされた点は、この研究の信頼性をさらに高めています。

本研究の成果は、2026年5月開催の第83回米国研究皮膚科学会にて発表されています。

◆◇「自分の敏感肌」を知ることが、ケアの起点になる日のために

敏感肌に悩む方が「何を使っても合わない」「どうケアすれば正解なのかわからない」と感じるとき、その根本には一人ひとり異なる肌の状態があったのかもしれません。

今回の研究は、そうした個人差を科学的に裏づけるものとして、一人ひとりに合った敏感肌ケアの実現に向けた新たな視点を提示しています。

自分の肌質と丁寧に向き合いたいと感じている方にとって、こうした基礎研究の積み重ねが、いつかケアの選択肢を広げてくれると感じます。

まとめ

敏感肌の「なぜ」をひとつひとつ解き明かそうとする研究の姿勢は、肌に悩む多くの方にとって心強いニュースではないでしょうか。

研究の詳細や関連情報は、ポーラ化成工業の公式サイトで確認できます。

公式リンク

・公式サイト:[[ポーラ化成工業株式会社]](https://www.pola-rm.co.jp/)

注釈

[1] 本研究はALOOP CLINIC&LABの山﨑研志医師(皮膚科専門医・アレルギー専門医)との共同研究として実施され、第83回米国研究皮膚科学会(2026年5月開催)にて発表されています。

[2] マイクロバイオプシーは直径250µm程度の針を使用する微小皮膚採取技術で、従来の採取法と比べて皮膚への負担が少ない手法です。

[3] 研究対象は敏感肌を自覚している女性と自覚していない女性の計47名で、頬の皮膚を採取し遺伝子発現を網羅的に解析しています。

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