朝せっかくブローで整えたのに、昼ごろにはもううねりが戻っている——そんな経験、心当たりがある方は少なくないはずです。
ヘアケア市場ではくせ毛・うねりへのアプローチが年々注目を集めていますが、「日中に再発するうねり」のメカニズムそのものに踏み込んだ研究は、これまでほとんど語られてきませんでした。
そこに新たな光を当てる研究成果が、毛髪科学の世界から届いています。

◆◇「うねり戻り」の犯人は、日光と湿度のダブルパンチだった
ロート製薬の研究チームが着目したのは、毛髪細胞の隙間に存在する脂質構造「CMC(細胞膜複合体)」です。
3GeV高輝度放射光施設NanoTerasu(ナノテラス)を用いた放射光X線散乱測定で毛髪内部を精密解析したところ、日光を照射した毛髪ではCMCを含む脂質構造に由来するピークが消失し、内部構造が損なわれることが確認されました[1]。
さらに日光を当てた毛束と当てていない毛束を高湿度の環境下に置いて比較すると、日光照射後の毛束のほうが明らかに強いうねりと広がりが生じやすかったというデータも得られています。
CMCは毛髪内の水分移動を制御する構造のため、そこがダメージを受けると水分バランスが乱れやすくなり、湿気の多い環境で髪が膨らみやすくなると考えられています——つまり「朝のブロー後に外出→日光+湿気」という日常シーンが、うねり戻りを引き起こす温床になっていたのです。
◆◇スキンケア発想がヘアケアを変える、ヒアルロン酸カリウムの可能性
この研究でもうひとつ注目したいのが、有効素材として浮かび上がった「ヒアルロン酸カリウム(HA-K)」の存在です。
スキンケア領域で長年培ってきたヒアルロン酸研究の知見をヘアケアへ応用するかたちで多種のヒアルロン酸を比較評価した結果、ヒアルロン酸カリウムが日光によるCMCダメージを防ぎ、高湿度下でのうねり戻りを抑制することが確認されました[1]。
加えて、ヒアルロン酸カリウムはダメージを受けた毛髪内部への浸透性を持ち、日光照射による毛髪の硬化も抑えることが示されています。
髪の表面をコーティングして整えるアプローチではなく、毛髪の内部構造そのものにはたらきかける「質感コントロール」という新発想は、うねりに悩む方にとって期待の大きい研究の方向性といえるでしょう。
この成果はヘアケア製品の処方設計・開発への応用を目指して研究が継続される予定で、今後の製品展開が気になるところです。



まとめ
「日光と湿度がうねり戻りを招く」という新たな視点と、ヒアルロン酸カリウムの可能性——この研究は、これからのヘアケアの常識をアップデートするかもしれません。
最新の研究動向や今後の製品展開については、ロート製薬の公式サイトでご確認ください。
公式リンク
・公式サイト:[[ロート製薬株式会社]](https://www.rohto.co.jp/)
注釈
[1] 本研究はロート製薬株式会社による毛髪内部構造の解析研究であり、特定製品の効能・効果を示すものではありません。